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はじまりは、私が「広島のお好み焼きが食べたいなあ」などと言い出したところから。「広島…わざわざお好み焼きのためだけに行くのも…」と渋るつじんこさんに、それじゃあしまなみ海道走りに行ってついでに広島寄ったらいいじゃない ! と自信満々の私。レンタサイクルもあるし !
私のあまりの地理的な認識の甘さに「ちょっとまて、尾道は広島県内だけど広島市へはむっちゃ遠いぞ」と、つじんこさんに珍しく真面目にツッコまれてしまった。
それはともかくとして。
しまなみ海道を自転車で走るというプランが意外なほどつじんこさんの興味をひいたらしい。やけに乗り気になって「うん、再来週にしよう。天気もよさそうだし」などと、気付いたら日程まで決まっていた。プランもいろいろ考えたらしく「土曜に今治から尾道まで走って、翌日は倉敷あたり観光しようか」だの「僕フェリー旅好きやねん。東予港と今治は近いから、東予港までフェリーで行こう。」だの「泊りは福山あたりが安くて小マシなホテルがあるから福山にしよう」だの、毎日仕事から帰ってくるたびにどんどん具体的なプランが出来上がっていく。…ちゅーか、自分、ちゃんと仕事してんの ?
私はちょうど仕事が立て込んでいたので、つじんこさんが段取りを積極的にしてくれるのは大変ありがたかった。いよいよ明日出発という木曜日、「フェリーもホテルも予約しますた !」と得意げなつじんこさんに、ふと、レンタサイクルの予約はした ? と聞いたところ…
「忘れてたー !」
さすがはつじんこクオリティ。慌てて今治市側の予約窓口であるサンライズ糸山に TEL してみたが、残念ながら予約分はすべて貸出が決まってしまったとのこと。当日行って無かったら…まあ、朝イチに行けば大丈夫か…。
金曜日、退社後大急ぎで帰宅して、いざ南港へ !!
フェリーは二等指定 (要するに雑魚寝) しか取れなかったのだが、乗船後にフロントに確認すると二等寝台に空きがあり、無事に寝台ゲット。
どうやら羽曳野の少年野球チーム (中学生くらい ?) も団体で利用しているらしく、ユニフォームの少年が大勢いて、フェリーのラウンジや甲板をぎゃあぎゃあ騒ぎながら走り回っていた。うーん、もうちょっと静かにしてほしいなあ。私とつじんこさんはフェリーの風呂で一息ついて、ラウンジで缶ビールを傾けていたが、すぐ後ろの席の男性 2 人組もかなりイライラした様子で「先生呼んできた方がええんちゃうか」などと相談している。
珍しく、私の方がブチ切れた。ちょぉ待ち ! 自分ら走んなや !
静かになった。しばらくして少年のうちの一人が私のもとにやってきて「騒がしくしてすみませんでした」と謝ってくれた。素直なこでよかった。ほかのお客さんの席もまわって謝っていた。ちょっとフェリーで興奮しちゃったのかもね。
あとは穏やかな気分で久々のフェリーを楽しんだ。フェリーいいよね。
早朝に東予港に着く。下船を待ってロビーに集まってる人たちを見ると、トレッキング装備の女性が多いみたい。石鎚山かな。それと、輪行袋を持ったサイクリスト達。これはしまなみ海道だろう。
今治駅までは無料のシャトルバス。そこからサンライズ糸山まではタクシーで。
サンライズ糸山にはオープン前に着いたので、無事にクロスバイクをゲットすることができた。しかしこれクロスバイクって言うか、ただのママチャリやん ? しかも私が借りたのは変速が壊れていてトップに入らないため、ママチャリよりとろい…。まあええか…。
今治を 8 時過ぎに出発して尾道に 17 時前に着いたので、8 時間半ほどかかったことになる。まあ、かなり変なルート取りをしたので順当なところか。
正直、ここ 7 年ほどロードレーサーしか乗っていない私には、レンタルしたクロスバイクは辛かった。前傾の姿勢を取れないこと、ドロップハンドルと異なり腕を不自然な方向に捻らないとハンドルが持てないこと、ペダルの径が小さいため脚への負荷が大きいことなどなど…普段自分が乗ってる自転車がいかに楽かがよく分かった。
しかしやっぱり長い距離を自転車で走るのは楽しいし、橋を渡って海を越えられるのもすごく楽しい。伯方島では塩ソフトのほか、揚げたてのじゃこ天も賞味したし、大三島でゲットした早生のみかんも甘くておいしかったし (大三島は愛媛県だ)、生口島のコロッケももちろんおいしかった。コロッケを揚げてくれたおばちゃんも面白かったし。
今までほとんどサイクリングなんてしたことがないつじんこさんも楽しかったらしく、にわかに自転車熱が高まった様子。「自転車買おう」だの「次はどこを走ろう」だの言いだした。今まで自転車は私のみの趣味だったので、これは嬉しいことだ。
尾道では、栗原温泉 (普通の銭湯です。尾道駅から近くてべんり) で汗を流してした後、駅に戻る途中で当初の目的であった広島風お好み焼きの店を見つけた。これは入るしかない !
お好み焼 すみチャンは広島風お好み焼きのほか、尾道焼きというのがウリらしい。尾道焼きは砂肝が入っていて食感が面白くおいしかった。広島風お好み焼きも、大阪の「広島焼」とは違う、ちゃんと広島のお好み焼きだった。大満足。
JR で福山に移動して、ホテルにチェックインするところでまた問題が。なんと、つじんこさんは日を誤っており、金曜夜の 1 泊を予約していたのだった…なんというつじんこクオリティ。幸い、同じ条件の部屋に空きがあったため泊まることができた。キャンセル料もなし。心底ホッとした…。
長距離走ってさすがにヘトヘトに疲れ果てていたので、翌朝も 10 時過ぎまで朝寝した。倉敷に着いたのは昼ごろ。まあ、もとより倉敷はおまけだし。
倉敷では大原美術館。中学生の頃に来たきりだったので楽しかった。お気に入りの作品も見つけたし。
帰りは岡山から新幹線。
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